HIV感染症について

 新型コロナウイルス感染症、少し落ち着いた感があります。しかし第2波が起こらないよう引き続き注意が必要です。そして治療薬やワクチンの実用化が待たれます。治療薬としては、インフルエンザ、エボラ出血熱、HIV感染症に対する薬剤などがクローズアップされてきました。この中でふと、HIVについてどれくらい知っているのだろうか、と疑問を覚えました。そこで、CareNeTVという臨床医学チャンネルでHIV感染症の勉強をしました。

 ところで世界3大感染症、とは何かご存じでしょうか?結核、マラリア、そしてHIV感染症 です。HIV感染症が入っていることは、恥ずかしながら知りませんでした。日本ではまだ増加傾向にあるようです。最近の新規発生患者のうち、15%は異性間性的接触、73%は男性同性間性的接触ということです。

 HIV感染症はHIVというウイルスによる感染症で、大きく3つの病期(急性感染期、無症候期、AIDS期)に分けることができます。HIV感染症=エイズという印象をもつ方も多いのではないかと思いますが、それは違います。HIV感染によって、免疫をつかさどるリンパ球が減少し、通常では起こらない色々な感染症や病気が起こるようになったらAIDS期と呼ばれ、この時期からエイズということになります。ですから、HIVの増殖を抑制する薬剤(身体からウイルスを減らす薬)を使用してウイルスが少なければ、エイズを発症しないということになります(この時期が無症候期ということになります)。ただし、体内から ウイルスを駆逐するためには少なくとも数十年間の治療が必要と考えられており、事実上治癒は困難です。治療は早いほど有効で、原則として3剤以上の併用が必要であり、治療は中止してはなりません。また、確実な内服が重要で、飲み忘れにより薬剤耐性のリスクが増えて治療が失敗する可能性があるので、100%の内服を目指さなければなりません。薬剤の値段が高いという問題は残っているようです。
 
 文章だけでは寂しいので、写真を掲載します。本日6月15日の私の写真です。