皆さん、非常にお困りの夜間頻尿について その1

夜間頻尿について:その1

夜間にトイレに何回も起きてしまう。これを夜間頻尿と言いますが、この症状で困っている方は非常に多いです。当院にも、この症状で困っている方が沢山来られます。

そもそも夜間頻尿とはどういう状態を言うのでしょうか。診療ガイドライン(医療現場において適切な診断と治療を補助することを目的として、病気の予防・診断・治療・予後予測など診療の根拠や手順についての最新の情報を、専門家の手で分かりやすくまとめた指針)によれば、夜間に1回以上起きなければならず困っている状態、ということです。でも実際は1回くらい起きるのは普通でしょう。2回以上が問題だと思いますし、実際の臨床現場でも2回以上を問題としています。

この夜間頻尿は日常生活に大きなダメージを与えます。またそれだけではなく、夜間排尿回数が2回以上の高齢者では生存率が有意に低下した(寿命が短くなるということです)との報告もあります。勿論、心臓が悪い場合、腎臓が弱っている場合、などでは夜間頻尿になる場合が多く、持病で寿命が短くなるという状況もあります。

この夜間頻尿の原因は、膀胱蓄尿障害(膀胱が小さい)、睡眠障害(眠りが浅い)、そして夜間多尿の3つです。実はこの中で夜間多尿が原因である場合が最も多いのです。夜間多尿とは?簡単に言うと、起きている時には腎臓があまり働かないため水分が体内に溜まり、寝たら腎臓が働きだして、溜まった水分を尿として出すという状態です。つまり寝てからの尿量が増える、という状態です。尿がどんどん作られたら、膀胱がいくら正常でも何回もトイレに行きたくなりますよね。この夜間多尿は、排尿日誌(排尿した時間とその時の尿量を24時間記録します。これを2日程度行います。)をつけてもらって確認します。当院ではしばしば行っています。

次回に続きます。